ビジネスで成果を上げるためのノウハウとしての働く意味

　今日、ビジネスパーソンが成功するためのさまざまなノウハウ本が出ています。私は成功するためのノウハウは非常に大事だと思っています。スポーツで言うなら、勝つための技術や体力をつけるためのトレーニング方法を知らなければ、気持ちだけで勝つことはできないということです。ただ、トレーニング方法さえノウハウとして持っていたとしても、それだけでスポーツの世界で勝ちきることはできないとも思っています。　

　厳しいトレーニングに耐え、大舞台で自分の力を１００％発揮して、勝ちきるためには、競技を続ける意味を持っていること、もしくは競技を続ける中で十分な意味を感じられることが必要だと思っています。

　オリンピックでマラソンに参加するような日本の選手たちは、例えば金メダルを取った高橋尚子、野口みずき両選手にしても、最大で月間１２００ｋｍ以上、毎日マラソンと同等の距離を走っているのです。女子シンクロの選手たちはオリンピックに向けて毎日８時間以上プールの中にいるといいます。順風であればいいのですが、それだけのトレーニングを行うのですから、いつも怪我や故障と隣り合わせです。もちろん必ず成功するという保証もありません。

　そんな厳しいトレーニングを乗り越えて、自分の力を発揮し、勝利を掴み取るためには、その過程に意味とやりがいを見出し、そんな厳しいトレーニングの中に自らのエネルギーを投入していくことが必要不可欠です。それを端的に言えば、競技をする意味がしっかりしていると競技がうまくいくということでしょう。

　ビジネスの世界でも、ことはまったく同じであると私は考えます。生きがいをもって充実して働くためには、そして自分の納得する成果を出すためには、働く意味が必要なのです。働く意味がしっかりしていると、仕事のさまざまなことがうまくいきます。ビジネスで成功するために、自分の力を出し切るために、働きがいをもって働くために、究極のノウハウとして働く意味を明確にするということがあるのです。だから働く意味をしっかり考えて働こう。これがこの文章で言いたいことです。
　
　経営者にせよ、会社員にせよ、仕事上の悩みは多々あります。どうやったら仕事にやる気を持って取り組めるのか、どうしたら成果が出せるのか、どうやったら営業がうまくいくのか、商品が売れるのか、どうしたら部下が動くのか、どうやったら人間関係がうまくいくか、どうやったら会社がうまくいくか、どうやったら家庭との両立がうまくいくのか、今の仕事を続けていいのだろうか、どんな仕事についたらいいのか、などなど。

　私は、仕事におけるすべての悩みの答えのヒントは、あなたが考える「働く意味」にあると思っています。悩んで道に迷ったとき、新しい道をどこに探せばいいのか。そのとき新しい道を指し示す方向性は、あなたの「働く意味」にあります。働く意味はあなたが働く原点です。悩み迷ったときには、一番の原点に返ることがこれからの新しい道を探す方法なのです。あなたの「働く意味」を考えることは、あなたが満足した仕事生活を送るための究極のハウツーなのです。

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