フロントランナーになれ/TITLE>

　I run best when I run free.（私は自由に走るとき，もっとも速く走れるんだ）　

　スティーブ・プリフォンティーンという長距離走者を知っていますか。1960年代中盤から1970年代中盤まで，アメリカオレゴンを拠点に連戦連勝の活躍をし，24歳の若さで交通事故で亡くなった「陸上競技界のジェームスディーン」とも称される名ランナーです。

彼は典型的なフロントランナーでした。フロントランナーとは，レースで前半から先頭に立ち，圧倒的な力で後続を引き離し，トップでゴールするランナーのことです。彼はその積極的なレースっぷりで人気をはくし，彼の印象はその死後も衰えることなく，今もアメリカのランナーたちの記憶に残っている名選手です。

　冒頭は彼が自らのレースを称して発した言葉です。I run best when I run free.（私は自由に走るとき，もっとも速く走れるんだ）というこの言葉は，フロントランナーであった彼だからこそ語ることのできた言葉でしょう。
　　
　人に追随するのではなく，自ら先頭を引っ張り，自らの行動をコントロールすることで，私たちは精神の自由を得ることができるのです。それはレースだけでなく，普段の生活，普段の練習でもそうです。
　
　マラソンの谷口浩美選手は，次のように言っています。

　どんなにきつい練習でも，「おい，行くぞー！」と声をかけて，先頭を切って行ける。1本目に行けるか，行けないかは，非常に大事なことだ。いくら力があっても1本目に行かない選手は強くなれない，と思っている。

　誰に言われるのでもなく，自分が競技を続けたいから続けている，誰にやらされるのでもない，自分が強くなりたいから練習している，そう思うためには，あなたはフロントランナーであるべきなのです。

　あなたはフロントランナーになれますか？